2012年10月19日金曜日

日本語バトルロワイアル・35名→24名

授業が始まって1ヶ月が経ちました。

私の赴任先は、法律の単科大学です。
卒業生は、検察官や弁護士、裁判官になったり、司法省に勤めたりします。

そもそもウズベキスタンで日本語を学習しても
日本語を使う仕事に就けることは極稀ですが
当校の卒業生は、とくに日本語を使うことがありません。

では、なぜ学ぶのか。
そこには名古屋大学の国際協力が関係しています。

名古屋大学法学部・大学院法学研究科は、
現在、ウズ、モンゴル、カンボジア、ベトナムの各法科大学と
協力して日本法教育研究センターを運営し
日本の法律を教えています。
西欧の法律を受け継いで自国の経済を成長させた日本の経験を
市場経済化の途上にある国に伝えようとしているのです。

このセンターの特徴は、日本語で日本法の教育を行なっていること。
「法は長い年月をかけて培われてきたその国の文化の一部であり、
 他言語の単語に置き換えることができない」との考えから
センター生に対してまず日本語の授業を行い
日本語を習得した学生に対して日本語で日本法を教授しています。

学生の視点からすると、日本語を学び、日本社会や日本の法律を知ることで
さまざまな角度から法律を考えられるようになり
将来は広い視野をもった法律家として活躍できる……という建前ですが
実際は、「日本に留学できるらしい」とか「なんとなく」といった動機で
センターに入ってくる学生も多いかと思います。

さて、このセンター、ウズでは正規授業になっていません。
つまり単位にならない!
毎日、午前中は法律の授業、午後は日本語の授業というハードスケジュール。
しかも日本語は1年で初級を終わらせるという
日本語専攻の学生並のインテンシブコースでありながら
扱いはクラブ活動みたいな状態です。

当然「やってられるか!」という学生も多数でてきます。
それは、もう、仕方ない。
だから、最初に多めに学生をとります。

今年は35名が入所しました。
初めての授業は9月17日。

1ヶ月経ったいま、残っている学生は……

24人!

ずいぶん減っちゃいました。
例年通りとはいえ、学生がやめるたびに
「私にもっといい授業ができていたら、この人はやめなかったのだろうか」と
心がいたみます。
でも、あまり人が多くても、語学の授業がやりにくいのも事実。
せめて、まだ頑張っている学生たちが、楽しく、楽に日本語を勉強できるよう
工夫していきたいと思います。

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