2014年7月8日火曜日

帰国しました

2年間の活動を終え、先月末に帰国した。

帰国したら食べたかったもの
・寿司、刺身
・そば(ウズには蕎麦の実はあるが麺はない)
・とんこつラーメン
・居酒屋のメニューをいろいろ頼む
・カレー専門店のカレー(家庭のカレーはウズでも作れる)
・うな丼
・納豆

しかし、実際に帰国してなんでもいつでも食べられる環境になったら
いますぐに食べたいという気持ちがなくなってしまった。
それより、トランジットの仁川空港では
マクドナルドにひかれて朝マックを食べ
地元に着いたらコンビニでテンションがあがり
帰国初日の夕食にはコンビニ弁当を食べてしまった。
ああ、コンビニの品揃えの素晴らしさよ。
とくに、オリジナルスイーツ、最高です。

☆☆☆

「ウズベキスタン、どうだった?」といろんな人に聞かれるんだけど
どうだったって、そんなざっくり聞かれてもなあ。
まあ、挨拶みたいな質問なんだろうし
こちらとしても、短い、気の利いた答えを用意しておきたいと思っている。

ただ、私は、日本に帰ってきた瞬間から
ずっと日本に住んでいたみたいに日本になじんでしまって
ウズに住んでいたことが遠い昔のことみたいになってしまった。
だから、ウズについて、言いたいことがうまく思い浮かばない。

☆☆☆

2年も海外で、しかもまったく異文化のウズベキスタンで暮らしていたんだから
「わあ、日本になじめない!」みたいな逆カルチャーショックが
いろいろあるんだろうと思って(なかば期待して)いたんだけど
そういうのもあまりない。
消費税があがったのも、「笑っていいとも」が終わったのも
ふなっしーとかいうやつが人気なのも、みんなインターネット経由で知ってたし。

そうそう、suicaの残高として半端な数字が表示されたのはちょっと驚いた。
運賃表を確認したら、2年前と同じく10円単位だし。
どうやら現金払いとsuicaとで、値段が違うらしいね。
という地味な感じで。

もう一つ。尾籠な話で恐縮だけど
ウズではトイレットペーパーをトイレに流してはいけなくて
(下水管の問題?)
備え付けのゴミ箱に捨てることになってる。
それで日本に帰ってからも、トイレットペーパーを流すことに抵抗があり
いちいち心のなかで「ここは日本なんだから流していいんだよ」と
自分自身に確認しながら流している。

☆☆☆

ウズについてのいくつかの話題を
書きたいと思いながら書けずにいたので
少し書いてから、ブログを終わりにしようと思っています。

2014年6月7日土曜日

母親が買ってきたメガネ

ある若い男性が、金縁でガラス部分の大きい、
中年男性がかけるようなメガネをかけていました。
車で、田舎にある親戚の家に行ったとき
自分のメガネが壊れてしまったので
親戚の人のいらなくなったメガネをもらって運転して
無事帰ってきたとのことでした。

私は「人のメガネでも使えるんだ!」と驚きましたが
そのときは「まあ、非常事態だしな」と納得しました。
「早く若者っぽいのを買いなよ」とも言いました。

先日、同じ男性が、新しいメガネをしていました。
「母がバザールで買ってきてくれました」と言っていました。
その人がなかなか新しいのを買わないから
見かねた母親が買っておいてくれたんだって。

本人がいなくて? 処方箋もなくて? メガネが買えるの?
なにそれ老眼鏡?

ウズベク人は、メガネ率もコンタクトレンズ率も
日本よりずっと低いけど、メガネ屋はちらほら見かけます。
基本的にはそこで視力を測ったうえで買っているはずですが
本人がいなくても買えるんだなあと驚きました。

地味に驚いた目の話をもう一つ。

先日、同期のタロウさんが
「レーシック手術を受けたという若者がいた!
 バブル公園の近くで、1000ドルくらいらしい」と教えてくれました。

ウズベク人はメガネさえあまりしたがらないのにレーシック?
いや、メガネをしたくないからこそのレーシックなのか?

1000ドルはこの国では相当高いと思いますが
それ以上安くもできないだろうし、こちらも「へー」と思いました。

2014年4月26日土曜日

ますかけフィーバー

とつぜんですが、自慢です。

私の手、両方とも「ますかけ」なんです。

ますかけというのは、手相の種類で
知能線と感情線が1本になっているものです。
織田信長だか、徳川家康だかがこの手相の持ち主だったらしく
「天下取りの相」とも言われています。

日本には片手だけますかけの人は少しいますが
両手ともますかけはけっこう珍しいはず。
しかも私の場合、ますかけ線だけがはっきりあって、ほかの線は薄いんです。




ほらね。

あるときその話題になって、ウズベク人に
「ありえない! ウズベキスタンで見たことがない!」ととても驚かれました。
「ほかのウズベク人にも見せてみろ」とも。

それでいい気になって、職場でウズベク人のA先生に自慢しようとしました。

「A先生、ちょっと手を見せてください。これとこれ、2本、線があるでしょ?
 実は……」

「オレは1本やで!」

と、割って入ってきたのは、日本人のT先生。
なんとT先生も両手ますかけでした。

日本人が4人しかいない職場で
向かい合わせに座っている2人が両手ますかけって、すごい確率ですよね。
いやーすごい、これはすごいことですよ、と興奮していたら
A先生が「私の手相もすごいんですよ」と。

A先生の手相は、かなりくっきりこんな感じです。















「これはですね。1と8なんです」とA先生は言いながら
ホワイトボードに何やら書き始めました。

「アラビア数字では、縦棒が1、山型が8。
 だから私の右手は18、左手は81です。
 
 81-18=63。
 63は預言者ムハンマドが亡くなった歳で
 パイハンバルヨシと言われています。

 18+81=99。
 神アッラーは99の名前を持つと言われています。

 つまり、どちらにしても縁起のいい数字になるんです!」



へー! おもしろーい!

などと言っているうちに、私の自慢はうやむやになってしまいました。

その後もめげずにウズベク人に自慢していますが
いまのところ、ますかけを見たことがある人はまだいません。
ケータイで写真を撮られたり
「アンドロイド?」と気持ち悪がられたりしています。

2014年4月21日月曜日

【レシピ】おうちで☆簡単☆スマラック


ウズベキスタンの春の食べ物と言えばスマラック!
ナブルーズ(春分の日の祭り)にみんなでつくって食べるのがウズベキスタンの伝統ですよね。
おうちで作るスマラックは、時間がかかるけど(12時間☆)
おいしく仕上がるし、愛着もわきますヨ~♪
日本の方もぜひつくってみてください☆

【材料】
小麦粉 36kg
水 たっぷり
油 たっぷり
麦芽 バケツ3杯
石 数個


【作り方】
1. 麦芽を水に漬けて発芽させます(1週間) 
2.鍋に油を塗ります
鍋は直径1mくらいの大きいものを☆


3.麻袋を使い、1を濾します
濾したものはこんな感じ
6.沸騰後は様子を見ながらたまにかきまぜます
茶色のペースト状になるまで約12時間




7.できあがり!




【コツ・ポイント】
屋外での作業だから雨対策も
火加減は中火~強火で
春季限定のほうれん草サムサや
ほうれん草マンティ(餃子)を
つまみながらできあがりを待ちましょう

【食べ方】
容器に入れて冷蔵庫で保存。
パンにつけたりそのまま食べたり
2リットルの容器が30本!
それでも入りきりませんでした

1.あまったスマラックはどうするの?
2.ご近所さんに鍋やびんを借ります
3.借りた鍋やびんにスマラックを入れて…
4.おすそわけ☆
いかにもウズらしいですね

【このレシピの生い立ち】

スマラックは、砂糖は入っていませんが、甘くて麦の香がするペーストです。
パンにつけて食べたり、そのまま飲んだりします。

ウズベキスタンでは、春を祝うナブルーズのお祭やその前後に
ご近所同士が集まるなどして
大鍋で一晩かけてスマラックをつくります。
大量にできたスマラックは、近所や親戚に配ります。
12時間もの待ち時間に、飲んだり踊ったりするのが楽しいらしいです。

昔、貧しい家族のお母さんが
何も食べるものがないので、水に小麦粉と麦芽だけ入れて火にかけました。
疲れでうとうとしてしまい、目が覚めたら鍋の中身が
おいしい甘い食べ物になっていた……
というのがスマラックの起源だと言われています。

このスマラック、大変な縁起物なんです。
つくるとき、中に小石をいくつか入れるのですが
その時、願い事を言います。
また、まぜるときも、願い事を心のなかで唱えながらまぜます。
できあがったスマラックを分けた時、小石が入っていれば
その年を幸せに過ごせるそうです。

私はそういういろいろなことを聞いていたので
「スマラックづくりを見てみたい!」とナブルーズ前に学生に訴えたのですが
ここは都心だからか、みんな「家ではつくらない」との返事。
がっかりしていたら学生が「じゃあ、私たちでつくりましょう!」と。
スマラック・マスターのおじさんを雇って自分たちでつくることになりました。
当日は、学生が20人以上も集まり
ほかの料理をつくったりおしゃべりしたりして、とても楽しい時間を過ごしました。

ちなみに、学生がご近所におすそわけしている写真がありますが
この学生にとっての「ご近所さん」ではありません。
会場となった家の周りの家に突撃し、「スマラックつくったんですけどー」と
配って歩いたわけです。このへんも非常にウズっぽいと思います。

このレシピを見て、ぜひ日本でも挑戦してくださいネ☆

2014年2月16日日曜日

美人の多い国2

先週、UJC(日本ウズベキスタンセンター)主催による
「POPファッションショー」が行われました。

着物、茶道・華道・書道、歌舞伎…といった伝統文化の紹介はよくありますが
今回は、現代の日本の紹介、ということで
在住日本人が普段着で登場したほか(オフィス風景とかあって面白かった)
「制服」「POP着物」「ロリータ」が紹介されました。

そのイベントをお手伝いしながら改めて思ったのですが
やっぱりウズは美人が多い!

以前に写真なしで「美人の多い国」というエントリーを書きましたが
今回は、ばっちり美人の写真を撮影してきましたよ!

☆制服
 

☆ロリータ(『恋のフォーチュン・クッキー』を踊ってる)

☆着物(伝統的な振り袖)

☆POP着物
  
 
彼女たちは、UJCの学習者やスタッフなどで
職業モデルではありません。
でもみんな美人! スタイルいい! うらやましい!!

男性については
「ウズって美人ばっかりなのに、ハンサムは少ないよなー」

…と、正直、思っていました、来た頃は。

でもしばらく住んでいたら、目が慣れてきたのか
ハンサムも多い気がしてきました。

この日のハンサム。
 

コスプレすると、ウィッグやメイクなしでも
そのままアニメから出てきたみたいです。

2014年2月4日火曜日

「なんちゃってイスラム教」は本当か

ウズベキスタンは「なんちゃってイスラム教」と
日本で教えられました。

イスラム教の国といえば、日本では

・お酒を飲まない/買えない
・女性は黒い布で全身を覆っている
・毎日5回お祈りをして、ラマダンの時期には断食

といったイメージがありますが
ウズベキスタンではそういうことがなくて
異教徒も暮らしやすい、ということです。

確かに、ウズベク人は、日本人より頻度は低いものの
お酒は飲むし
(主にお祝いの席で男性がウォッカ、
 中年以上の女性が甘いワインを飲む)
女性の服装もだいたい普通だし
(ただし頭にスカーフを巻いている中年女性は多い。カラフルなやつ)
そんなに頻繁にお祈りをしているようには見えません。

ラマダンの時期も、街は何も変わらないし
年末年始はクリスマスっぽい飾り付けもします。


それでも、やっぱりここはイスラム教の国です。


ある若者が車上荒らしにあいました。

ウズベキスタンは日本並に治安がいい国ですが
日本にも犯罪被害があるように
ここでも犯罪が皆無というわけではありません。

で、その車上荒らしにあった人が
「悪いことをしていたのを神様が見ていたんだ」
と落ち込んでいました。

でもその「悪いこと」って
私からしたらちっとも悪くないことだし
車上荒らしとはまったく関係がないんです。

日本でも「悪いことをしたからバチが当たった」と言うけど
もっと本気で「神」という存在をおそれている感じ。
「こんな若者でも、信心があるんだな」と驚きました。


ほかにも、日常生活の随所で
「神の存在」という意識が働いているのを感じます。


ただし、心から信じてはいても
物質的に豊かで、情報があふれていて
時間に追われる現代的な生活を送っていると
イスラム教の教えをそのまま実践することは難しい、と。

お祈りは、いまは1日5回もできないけど
定年退職したらちゃんとしようと思ってる、とか
ラマダン中、断食はしないけど、お酒は飲まない、とか
そういう、自己流のゆるい運用をしている人は多そうです。

そこが「なんちゃって」と言われるゆえんなのですが
でも日本で私が想像していたほどは
「なんちゃって」ではないようです。


 ☆ ☆ ☆


ウズの宗教状況は、日本人のイスラム教のイメージをもとに考えると
不思議にも見えますが
みんなで宗教に基づいた倫理観を共有しつつ
実生活に即してゆるく運用するというのは
わりと理にかなったやり方なんじゃないでしょうか。

翻って日本は、明確な宗教もないのに
だいたいの人が、同じような倫理観をもって
社会の秩序を保っているわけで
絶妙なバランスのうえで成り立っているすごい国だな、
なんて最近考えています。

2014年1月23日木曜日

イスラム教の国のクリスマス

新年もすっかり明けきってしまいましたが
ウズベキスタンの年末年始について書いておきたいと思います。

日本では、12月といえばクリスマスですが
ここウズベキスタンはイスラム教徒がほとんどの国なので
クリスマスは関係ありません。

広場には…

 

家庭にも…











クリスマスツリー???












職場にサンタクロースが来たんですけど!?

いえいえ、クリスマスツリーに見えるのはヨルカ(もみのき)
サンタクロースに見えるのはコルボボ(コル=雪、ボボ=おじいさん)。
どちらも新年を祝うためのもので
クリスマスとはぜんぜん関係ありません!


……とか言われてもねえ。


楽しそうだから取り入れちゃったんじゃないの???


その姿勢、何でも祝っちゃう日本人としては
親近感をおぼえずにいられません。


ただ、日本と違うのは、あくまでこれは新年のお祝いなので
1月第1週くらいまで街はこんな飾り付けだということです。


ショーウィンドウも全部こんな感じ。
 


ちなみに、干支の文化もあります。
去年
今年














年末年始の過ごし方ですが
大晦日は親戚の家を挨拶回りして
正月は家でのんびり、1月2日から始業、
という感じが一般的なようです。

年越しの瞬間はお祝いするけど
もっと重要な年中行事がほかにあるので
お正月は日本ほど大切にされていないようです。