2014年2月4日火曜日

「なんちゃってイスラム教」は本当か

ウズベキスタンは「なんちゃってイスラム教」と
日本で教えられました。

イスラム教の国といえば、日本では

・お酒を飲まない/買えない
・女性は黒い布で全身を覆っている
・毎日5回お祈りをして、ラマダンの時期には断食

といったイメージがありますが
ウズベキスタンではそういうことがなくて
異教徒も暮らしやすい、ということです。

確かに、ウズベク人は、日本人より頻度は低いものの
お酒は飲むし
(主にお祝いの席で男性がウォッカ、
 中年以上の女性が甘いワインを飲む)
女性の服装もだいたい普通だし
(ただし頭にスカーフを巻いている中年女性は多い。カラフルなやつ)
そんなに頻繁にお祈りをしているようには見えません。

ラマダンの時期も、街は何も変わらないし
年末年始はクリスマスっぽい飾り付けもします。


それでも、やっぱりここはイスラム教の国です。


ある若者が車上荒らしにあいました。

ウズベキスタンは日本並に治安がいい国ですが
日本にも犯罪被害があるように
ここでも犯罪が皆無というわけではありません。

で、その車上荒らしにあった人が
「悪いことをしていたのを神様が見ていたんだ」
と落ち込んでいました。

でもその「悪いこと」って
私からしたらちっとも悪くないことだし
車上荒らしとはまったく関係がないんです。

日本でも「悪いことをしたからバチが当たった」と言うけど
もっと本気で「神」という存在をおそれている感じ。
「こんな若者でも、信心があるんだな」と驚きました。


ほかにも、日常生活の随所で
「神の存在」という意識が働いているのを感じます。


ただし、心から信じてはいても
物質的に豊かで、情報があふれていて
時間に追われる現代的な生活を送っていると
イスラム教の教えをそのまま実践することは難しい、と。

お祈りは、いまは1日5回もできないけど
定年退職したらちゃんとしようと思ってる、とか
ラマダン中、断食はしないけど、お酒は飲まない、とか
そういう、自己流のゆるい運用をしている人は多そうです。

そこが「なんちゃって」と言われるゆえんなのですが
でも日本で私が想像していたほどは
「なんちゃって」ではないようです。


 ☆ ☆ ☆


ウズの宗教状況は、日本人のイスラム教のイメージをもとに考えると
不思議にも見えますが
みんなで宗教に基づいた倫理観を共有しつつ
実生活に即してゆるく運用するというのは
わりと理にかなったやり方なんじゃないでしょうか。

翻って日本は、明確な宗教もないのに
だいたいの人が、同じような倫理観をもって
社会の秩序を保っているわけで
絶妙なバランスのうえで成り立っているすごい国だな、
なんて最近考えています。

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