2013年7月13日土曜日

新5000スム札と、独立時の通貨

ウズでは、物価がどんどんあがってるのに
最高額紙幣が1000スムなので

たとえば300ドルはこんな感じ。


財布は二つ折りとか使えないので
キルギス土産のポーチが大活躍。


数えるのも持ち運ぶのもめんどうなので
在住日本人の間では、高額紙幣が待ち望まれていた。

その待望の新紙幣5000スム札がコチラ!


7月1日に発行との報道があり
8日に会ったウズベク人が「給料に入っていた」と言って
1枚両替してくれた。

どうせなら1万スム札を出してほしいんですけど
出回れば財布もだいぶ軽くなりそう。

☆ ☆ ☆

そして昨日、この国の独立時の通貨について聞く機会があった。

ソ連全土(ウズベキスタンも含む)で流通していた旧ルーブルは
ロシアが新ルーブルを発行した1993年に、とつぜん使えなくなった。
当時、ウズベキスタンでも、旧ルーブルが使われていたが
早く新通貨を発行しないと
ロシアから使えない旧ルーブルが大量に流入してしまう。
しかし、そんなに急に新通貨は発行できない。

そこで仮の通貨「スムクーポン」が発行され
旧ルーブルは廃止となった。

旧ルーブルを家に貯め込んでいたタンス預金派は
一夜にして財産が紙くずになってしまい
大きなショックを受けたそうだ。
そりゃそうだ。

一方、銀行に預けていた分は
スムクーポンとして引き出せたようだが
この話をしてくれた人は、1年間貯めた給料をスムクーポンとして引き出して
そのお金で果物や野菜を買ったら
一度で使い切ってしまったという。
つまり、タンス預金も銀行預金も、とつぜん消えてしまったようなものだ。

仮だとわかっているスムクーポンを貯め込む人は、もういなかった。

とはいえ、現金をまったく持たないわけにはいかない。
みんな、ある程度は持っている。
そこで毎週末、こんなウワサが流れる。
「週明けにスムクーポンが廃止されて新通貨が出る」
「スムクーポンはとにかく使い切ったほうがいい」
何も買うべきものがないと言えば
肉でも買っておけと言われたそうだ。
そして無理やり使いきるのだが、実際には新通貨は出ない。
そんなことが半年も続いた。

オオカミ少年のウソも最後には現実になったように
スムクーポンも、何回もの廃止のデマの後、本当に廃止された。
昨日まで現金だった今日の紙くずは
誰にも見向きもされないまま、風に舞っていたという。


☆ ☆ ☆


新しいスムが発行されたとき
1ドルは19スムだった。
地下鉄は20チン、つまり0.2スム。
月給は20ドルだった。

今は1ドル約2100スム、
地下鉄は800スム、
月給は200ドルである。


給料は400倍、
物価は4000倍。


新札を手に入れた週に聞いた
昔の、といってもたった20年前のお金の話。

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